人事労務の小ネタ

年次有給休暇の対策

「退職前に、一括して残っていた年次有給休暇を取得された。それで、マルマル2か月休まれた。」
「有休を消化できない上に、代休の未取得分が貯まってきて、100日分以上ある計算になっている。」
「祝日が増える度に、従業員の休日が増える気がしますが、仕方ないのですか。」

規模の大小を問わず、年次有給休暇(年休とも、有休とも)に関する問題は根深いものがあります。

それは、次のような事情もあると思います。
「年次有給休暇を取ると、社長が怒る。」
「雰囲気的に、年次有給休暇を取りにくい。」

では、具体的な対応・対策を書いてみます。
(業務改善という本質的なことには触れません。)

有休を取得してもらいたい企業

まず、年次有給休暇をできる限り、消化率を上げたい場合は、いろいろな方法があります。

現状を把握した上での対応・対策になりますが、一番簡単なのは「経営者の宣言」です。
つまり、「年次有給休暇を取得しなさい」これでは画餅になりますので「分かりやすく評価に反映させる」結果として「賞与に反映させる」。一般の従業員には「取得日数・取得率を評価項目の1つ」とし、管理職の従業員に対しては「部下の取得日数・取得率を評価項目の1つ」とする、これが分かりやすいやり方です。

年次有給休暇の取得によって、売上げがダウンするなどは問題外ですが、それをマネージメントするのも管理職の仕事でしょう。

この方法さえ「できない」と思われたのなら、「やる気」の問題です。解決しようではなく、現状を是認するのでは、前進はありません。

有休を取得して欲しくない企業

本音では、年次有給休暇を取って欲しくない、経営者の方もいらっします。

では、解決策は?
それは、「年次有給休暇の計画的付与」です。詳しい法的な内容に関しては、社会保険労務士事務所や弁護士事務所のホームページに記載がありますので、それを確認して下さい。労使協定を締結する、たったこれだけです。

それに関しての具体的な方法を書きます。

  • 祝日を所定休日にしている場合は、その祝日を計画的付与に充てる。
  • 年末年始、夏休み(お盆の休暇)を、計画的付与の対象にする。
  • 特別休暇(いわゆる慶弔休暇、出産休暇など)を廃止または短縮する。

そう、これだけです。
過去にいくつもの多くの企業様に計画的付与をご提案していますが、踏ん切らないケースがほとんどです。

そして、「労働条件の不利益変更」の問題もあります。説明会を開催し、従業員の皆さまからご理解いただければ良いのです。バーターとなる制度も事前に準備しておきましょう。

年次有給休暇の対策のまとめ

人事労務担当者の方が提案した内容を、経営者様が決断する、たったこれだけで、年次有給休暇の問題は解決できると言っても過言ではありません。

付随する効果として、未払い残業代の問題も「軽減または解消」できます。

今後「山の日」が祝日になりますが、自動的に所定休日にして良いのでしょうか。就業規則を見直しませんか。

年次有給休暇の計画的付与の方法については、お近くの労働基準監督署でもご相談いただけます。ただし、労基署では労使協定の作成方法が主な相談内容になるので、それ以外の内容も含め、専門家にご相談されることを強くおすすめします。



戦略人事研究所では、
「年次有給休暇の対策」を、主に
人事サブシステムの設計」で対応しています。



2014-08-19 (火) 08:32:16
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