時間外労働100時間とは

政府の働き方改革で、総労働時間の短縮・時間外労働の是正・年次有給休暇の取得促進などが取り上げられています。項目的には、過去あるいは現在までの厚生労働省のキャンペーンの焼き直しorそのままですね。

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)、略称「労働時間等設定改善法」「労働時間改善法」として現在も生きています。

こんなんです。
労働時間等設定改善法の概要

さて、「時間外労働100時間」とは、どんな感じでしょうか。
いくつか計算例を出してみたいと思います。

例1)
平日9時から18時までの所定労働時間8時間、土曜日曜が休日の場合、平日に1日あたり3時間の時間外労働、土曜日4回に1日あたり10時間の休日労働(法定休日かどうかは別)をすれば、平日3時間×20日+土曜日10時間×4日=100時間の時間外労働。

この場合の終業は、平日が午後9時、土曜日が始業9時とすれば午後8時。こんな感じです。
「午後9時で? 大した事ないんちゃうの?」
そう思った方、かなり現在の感覚ではありません。昭和!

例2)
同じく平日9時から18時までの所定労働時間8時間、土曜日曜が休日の場合、平日に1日あたり4時間の時間外労働、土曜日2回に1日あたり10時間の休日労働(法定休日かどうかは別)をすれば、平日4時間×20日+土曜日10時間×2日=100時間の時間外労働。

この場合、平日の終業が午後10時。土曜日曜で少なくとも6回程度は休める計算に。
「毎日22時、家に着いたら11時かあ。この毎日はきついなあ。」


ちなみに、36協定で出てくる「月45時間」(時間外労働の限度に関する基準の1カ月の上限)だと、1日2時間がせいぜい。それも年間だと360時間なので、1月あたり平均30時間に収めないと言うこと。もっと書くと、日曜日を法定休日に設定している場合、土曜日2回、1回8時間働かせると、残りは29時間。つまり、平日1日あたり1時間半残業させることが出来ない計算に。

大阪市内の地下鉄で言うと、御堂筋線の混雑が午後6時7時は分かる、午後の8時9時は皆さん呑んでらっしゃる?
(確かに、平日の本町駅の午後9時から40分ほどは意外と空いている感覚。)

計算例を引っ張り出すまでもなく、「毎日、自宅に着いたら午後11時」はきついでしょうね。誰ですか、「俺が20代の頃は、毎日午前様やったわ」って。

終業から始業までの勤務間のインターバル制の導入も、検討されているようです。

「昔は」「俺は今でも」は、役員様なら許されるかも知れません。
労働契約法にも明確に規定されている『安全配慮義務』、きっちり守りたいですね。


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