同一労働同一賃金に対応した人事評価制度の作成

「同一労働同一賃金を見据えて、パート社員や契約社員の人事評価制度も、作成しておきましょう。」
そのような、営業トーク、営業のフレーズが聞こえる今日この頃です。

さて、人事評価制度を同一労働同一賃金の対応のために作成・構築するのは、価値があるのでしょうか。

答えは、「全くナシ」。
人事評価制度は、それを適用するのが、正社員であろうが、パート社員・契約社員であろうが、目的は何でしょうか?出て来た結果を、何に使うのでしょうか?

少なくとも「同一労働同一賃金を言われたくないため」では無いはずです。

「人事評価制度がないと、正社員と非正社員の賃金差を証明できません。」
そんな理屈で、企業様に人事評価制度の整備を迫る、社会保険労務士事務所やコンサルタント会社が多いですね。

評価制度・考課制度を作らない方が良い、
そんな目的・理由であれば。
後ろ向きすぎます。

丸子警報器事件から、正社員・パート社員の間であれば2割程度までなら、賃金差があっても仕方が無いと、判決をベースに理論を構築する方も少なくありません。

でも、フリンジベネフィット、間接的な経費を考えると、2割では済みません。社会保険料、退職金、福利厚生、社会保険・雇用保険の事務手続き、住民税の特別徴収、これらのコストが正社員には掛かっています。

女性は、時間給、あるいは契約社員、そんな企業様も見渡せば珍しいことではありません。その部分を変えていかないと、同一労働同一賃金を指摘されたくないための人事評価制度の作成は、意味ナシです。

前向きに、「より気持ち良く働いてもらいたい」「短所を無くし、長所を伸ばす」「適材適所をもっと進めたい」そういう何かが無いと、人事評価制度自体がかわいそうです。お金も、時間も、もったいないです。「将来が見えない」それを理由で社員が辞めるのは、事業方針・経営方針という根っこの部分の社員への説明がないから。社員と適切なコミュニケーションができている企業様であれば、評価制度そのものさえ不要です。

「助成金が出るから、作っておきましょう。」
評価制度・考課制度は、作ってお仕舞いではありません。運用こそが重要、制度自体は2割、運用が8割とも言われます。

なにしろ、国の同一労働同一賃金ガイドラインも『案』です。何も固まっていません。そんな段階で…。

今ある制度を見直すか、運用に重点を置くことを、強くおすすめします。


おまかせください

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●人事諸制度のReborn(再生)
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安全管理措置コンサルティング・特定個人情報取扱規程の策定
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株式会社 戦略人事研究所

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