働き方改革関連法に対応した就業規則のスケジュール

働き方改革関連法案は、6月29日に成立しました。関係する施行規則や通達も、今月中には出揃う見込みです。
(一部の通達は、既に出ています。働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について(平成30年7月6日基発0706第1号・職発0706第2号・雇均発0706第1号))

さて、労働法の改正で気になるのが、就業規則をどう変えれば良いのか、いつ変更して労働基準監督署へ届出すれば良いのか、気になるところです。

ちょっと待ってください。
施行(実施)スケジュールが出ていますので、確認しましょう。
中小企業の視点で書きます。

  • 2019年4月
    • 年次有給休暇の年5日取得義務
    • 労働時間の状況の把握の実効性確保
    • 勤務間インターバル(努力義務)
  • 2020年4月
    • 時間外労働の上限規制
  • 2021年4月
    • 同一労働同一賃金
      (雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保)
  • 2023年
    • 月60時間超の時間外労働の割増率引上げ

今9月の時点で、就業規則を改定するのは、過去の法改正対応をメインに行うレベルです。

今するのは、年次有給休暇の日数の確認、年休管理簿の整理(取得の方法を含め)です。そして、「どうしたら、年休を取っていない社員に5日以上取得してもらえるか」「パート社員の年休取得、年休時の賃金をどう実務的に決めるのか」です。

パート社員(パートタイマー)の年休時の賃金は、「通常勤務した」賃金を支払いますが、それで良いですか。日々の勤務時間が異なるような場合は、トラブル・問題となりやすいのです。

また、勤務間インターバルを導入しようと考えるなら助成金の利用も是非ご検討を!

来年の3月頃には、「年次有給休暇の年5日取得義務」の規定を盛り込んで、就業規則を労働基準監督署へ届け出ます。ただし、経過措置がありますので、付与日がいつなのか理解された上で対処してください。

次に、時間外の上限規制ですが、現状の把握が一番最初です。実態を把握した上で、活用できる時間制度があるのか、標準化・多能化で対処できるのか、この1年半の間に考えましょう。残業の多い企業様に限りますが。こちらも、経過措置がありますので、36協定の有効期間をよく見てください。

同一労働同一賃金については、書きたいことがありますが、今言えることは「人事評価制度が解決できる問題」ではありません。人事評価制度の活用は良いことですが、同一労働同一賃金の問題を解決するツールとしては、×です。先に、職務・人材育成・責任のあり方など当たり前のことをやってからで。


年次有給休暇の取得傾向は、取得する社員は積極的に取る、取らない社員は全くと言って良いほど取らない。そう感じます。
(企業自体の傾向にも思えますが…)

不利益変更になってよいのであれば(過去の記事にもアップしたかも)、祝日を休日から外す、夏季休暇を休日から外すなどは簡単なテクニックです。

一つ言えるのは、安易な計画的付与は止めましょう。
今までチャンと年次有給休暇を管理できていない企業様が、計画的付与できっちり年休を管理できるとは、思いにくいからです。それなら、「事業主・使用者が時季を指定」する方がずっと楽です。
(計画的付与は、退職時の一括取得対策などには有効ですが、業種・職場や職種を選びます。)

まずは、「年休の保有日数、取得傾向」「時間外の実態」このあたりを把握してみましょう。


おまかせください

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●人事諸制度のReborn(再生)
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安全管理措置コンサルティング・特定個人情報取扱規程の策定
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●無期転換・5年ルール対応コンサルティング
●社会保険料の節約・適正化コンサルティング
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株式会社 戦略人事研究所

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