国民の休日は、会社の所定休日?

就業規則の休日規定は、大丈夫?

厚生労働省のモデル就業規則(平成30年1月版)では、このように規定されています。一部手を加えています。

(休日)
第20条 休日は、次のとおりとする。
① 土曜日及び日曜日
② 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
③ 年末年始(12月○日~1月○日)
④ 夏季休日(○月○日~○月○日)
⑤ その他会社が指定する日
2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。

第1項第1号(①のこと)で、土曜日及び日曜日と規定されています。
第2号(②のこと)では、国民の祝日を所定休日とするための規定が置かれています。国民の祝日に関する法律いわゆる祝日法における「国民の祝日」です。日曜日と重なったときに翌日の月曜日を所定休日とする規定も括弧書きされています。ホンマは、休み明けの平日なんですが…。
(俗に言う「振替休日」と表記しないのは、第2項で「休日の振替」を規定しているので、混同しないための努力の結果でしょうか。)

法定休日、週に1日の休日を特定していませんが、特定しないこと自体は問題ありません。が、時間外労働の上限規制が掛かってきますので、本来なら法定休日を特定する方が良いでしょう。

国民の休日は、この規定では所定休日ではない

祝日法の第3条に規定されているのが、いわゆる「祝日の振替休日」カレンダーでは単に振替休日と表記されているかと思います。

さきほどのモデル就業規則の規定では、祝日法第3条の第3項の「その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。」という規定は入っていません。いわゆる、「国民の休日」を指しています・

祝日に挟まれた日=国民の休日を所定休日にするという規定は、入っていません。「みどりの日」になる前の5月4日は、上記のような規定では所定休日ではなく所定労働日と言えました。もっとも、「その他会社が指定する日」に5月4日を含めて指定すれば所定休日とすることができました。今現在思い付くのは9月の敬老の日、秋分の日に挟まれた日ぐらいでしょうか。

祝日法第3条に規定する日を所定休日とする旨の規定を設ければ、いわゆる「祝日の振替休日」「国民の休日」を所定休日にすることができます。

他の法令等の条文中において「国民の祝日に関する法律に規定する休日」と言うときの「休日」とは、祝日法における「休日」を言い、「国民の祝日」「振替休日」「国民の休日」の3つの休日すべてを含むものであるとされていますので、シンプルに「祝日法に規定する休日」という規定でも構わないでしょう。親切に書くなら、括弧書きででも(国民の祝日、祝日の振替休日、国民の休日)と追記すれば誤解は無くなります。

※「国民の祝日は休日とする」という条文がありますが、昭41.7.14基発739号により労働基準法上の休日にする必要まではないことが通達されています。

戦略人事研究所・その休日は本当に休んで良いのですか?

2019年のゴールデンウィークは、本当に10連休?

日本経済新聞「安倍晋三首相は12日、皇太子さまの即位日となる2019年5月1日を来年限りの祝日とし、来年のゴールデンウイーク(GW)を10連休とする方針を表明した。観光業界からは需要増への期待が大きい。一方で運輸や小売りでは人手不足を懸念する見方も出ており、企業活動や市民生活に様々な準備が必要となりそうだ。」

朝日新聞「来春の天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位の準備を進めるため、政府は12日午前の閣議で、安倍晋三首相が委員長を務める「式典委員会」の設置を決めた。直後に首相官邸で初会合を開き、安倍首相はあいさつで、新天皇の即位日となる2019年5月1日を来年限りの祝日とし、来年の大型連休を10連休とする方針を表明した。」

産経新聞「政府は12日の閣議で、皇位継承に伴う一連の儀式の詳細を検討する「式典委員会」の設置を決定した。安倍晋三首相は官邸で開いた初会合で、皇太子さまが新天皇に即位される2019年5月1日と、「即位礼正殿の儀」が行われる19年10月22日を、その年1回限りの祝日とする方向で検討を進める意向を示した。祝日法の規定により、4月27日から10連休となる。秋篠宮さまが皇位継承順1位の「皇嗣」になられることを示す「立皇嗣の礼」を20年4月19日に行うことも決めた。」

もちろん、皇太子さまが新天皇に即位されるのはお祝いすべきことですので、祝日にすることには賛成です。が、オセロのように挟まれたから、前後の日も休日にするのは?

と言うか、祝日法の規定では、自動的に4月30日、5月2日が国民の休日になるように思いますが。5月1日を来年限りの国民の祝日とする法律が成立すれば、当然前後は国民の休日となります。

もう一度、就業規則・休日の項の規定を確認

「土曜日、日曜日、国民の祝日」としか規定されていない場合、国民の休日は、所定休日には見えません。祝日の振替休日は、判断に悩むところです。

各社様の就業規則の休日を再確認する方が良いでしょう。
「カレンダーで赤いんだから、当然休みに決まっているだろう。」
「国民の休日は今まで休みだったはずだから、出勤日にすれば労働条件の不利益変更だ。」
「祝日が日曜だったら、翌日の月曜日は振り替えで休みでしょ。」

ただ、所定休日が「土曜日、日曜日、国民の祝日」としか規定されていない場合は、来年の4月30日・5月2日を自動的に所定休日にできるようには思えません。

年次有給休暇の5日以上取得義務化が始まるのが、来年の4月からです。そういうことを考えれば…。

一般の事務系の公務員や金融機関の多くであれば、10連休も構わないでしょう。

給与計算、支払いには、影響が大きいでしょうね。10連休にするなら、今のうちから手を打っておかないと。あるいは、10連休を見込んで、海外旅行や普段できないことを予定する従業員・社員も少なくないかも。

だから、祝日法の対応は必要です

正しく就業規則の休日の規定を確認しておきましょう。書いたように、「祝日法に規定する休日」と就業規則に規定があれば、土日休みの10連休の可能性が非常に高いです。

弊社のお客様では、「完全週休2日制を謳いたいので、土曜日曜を毎週休みに変える」というご要望がありました。完全週休2日制なら、土日休みが常識と考える向きもあります。不動産業界なら火水や水木、たまに水日(厳密には日水?)なんていう完全週休2日制も見掛けます。

「その週の月曜日から金曜日に祝日法に規定する休日がある場合、その週の土曜日は出勤日とする。ただし、その土曜日が祝日の場合は休日とする。」(日曜日が所定休日の場合)とすれば、週に2日の所定休日は保証できます。完全週休2日制です。

週の始まりは就業規則で別に決めない限りは、日曜日ですので。

このテーマを書くと、たいていの方からは、
「堅いこと、言うなよ。」
「1日休みが増えるだけだろ。」
と言うのが、過去の反応でした。(2015年9月の時)

今から、社内的に周知を

就業規則の有効性は、周知とされています。

今から、休日の項目について周知しておきましょう。変な誤解、要らぬ誤解を招かないで済みます。

何しろ、3日も所定休日が増えると、残業代単価にも影響しますよ。
※1年の規定がなければ1月から12月を指しますが、企業様によっては自社の会計年度と合わせたりしているケースもあります。法成立のタイミング次第では、年(年度)途中で残業代単価の変更をしなければならないケースもあるかも知れません。直前に所定休日が増えることまでは経験が無いので、実際にどう対応するのか厚生労働省が通達なり見解でも出してくれれば助かりますが。

「それなら、真剣に考えようか。」と、某社長。
「人事と経理は、全部出勤させるわ。」と別の某社長。
(去年、可能性を話した時の反応です。)

単に休日の規定だけではなく、他のこともいろいろ検討課題に入ってくるかと思います。賃金計算期間、給与支払日~。あっ、土日の振り込みもできるようになりました。「給与支払日が土曜日曜祝日の場合は前日に支払う」なんていうのは、古い規定かも知れません。


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