社員数30人までの人事評価制度をすぐに作る方法
社員数30人までの人事評価制度は、すぐに作れます。
大目に見て50人程度まで、経営者・社長が社員の下の名前(ファーストネーム)をサッと言えるくらいの規模なら、この人事評価制度は有効です。
基本、新たに人事評価制度を作成するのは、慎重にしなければなりません。
「なぜ?」
不平不満のカタマリ、不公平感が集中、中途半端な人事評価制度で社内の不満が爆発。数年経つと、評価はしているけど何のために評価しているのか分からない状態に。もし人事評価制度の再生(Reborn)をご希望なら、弊所へご相談ください。
社長が作ります
文字通り、社長が人事評価制度を作成します。勘の良い人事総務のご担当者がいれば、人事コンサルタントに依頼する必要はありません。
まず、社長に「社員としての常識」「社員に望むこと」を最低でも20項目は挙げていただきます。
評価は、「できるできない」「○△×」でも、何でも構いません。
これだけです。
社長の思いを評価項目にしているので、社長からの文句は出るわけがありません。もちろん、法令に違反した項目、倫理上問題となりそうな項目はダメです。
評価項目は、何でもOK
- 朝のあいさつ
- 整理整頓
- 業務のマニュアル作り
- 営業の新規開拓
- 既存顧客のフォロー
- 資格免許の取得
こんな感じで何でも構いません。
「たばこを吸わない(喫煙状況)」「ボランティア・地域活動をする」など、本当に何でも構いません。
「○○の項目は、問題だ」という社員がいるなら、それは貴社に合わない、社長の考えとはベクトルの方向が違う考えを持っているということです。右にならえを推奨するわけではありません。
(法令違反・倫理的に問題のある評価項目は、ダメですよ。)
社員の自主性や創造性を表面に出したいなら、提案制度もありますし、「毎月、業務上の提案をすること」という評価項目にすることもできます。
評価項目を実際に使う
10項目前後で、評価シートを作成します。
評価項目の評価は、2段階(○×)、3段階(○△×)でも、4段階でも5段階でも構いません。
3段階なら、1項目の評価点は平均10点、○なら10、△なら5、×なら0と言うように決めます。2段階なら、もっとシンプルですね。
(後述のウエイト付けをする場合は、%で処理したりします。)
○=できる、△=ふつう、×=できない、という大ざっぱな決め方もできます。
弊所でおすすめしているのは、「できる」の内容を可能な限り定量的に書くことです。朝のあいさつなら、例えば「笑顔で元気よく、自らあいさつをすることができる」は定性的ですが、できるだけ評価しやすく、評価される社員が自ら振り返ることのできる内容がベターです。
3段階なら10項目×3で30の内容、4段階なら10項目×4で40の内容を作ります。結構大変かも知れませんが、大変だと思えば、弊所へご依頼ください。もっとも、「できる」と「できない」の内容は、社長しか分かりません。社長の頭の中にある「できる」「できない」を文字にする必要があります。
実は、各職種・管理職の項目も
共通項目は、全ての社員に必須の内容です。
職種ごとに分ける、管理職・非管理職で分ける、本社・現場で分ける、それは社長がどう思うのか。それだけです。
共通項目+事務社員用・営業社員用・管理職用の3つの評価シートを作るなら、4段階なら計120の内容を考えます。実際には、共通項目の扱いです。非管理職だけに適用するのか、管理職にも適用するのか、「朝のあいさつ」どうしますか、と言うことです。
共通項目を管理職にも適用するのであれば、実際に考えるのは5項目×4段階+(5項目×4段階)×3部門=80の内容です。
「管理職に朝のあいさつ?」
はい、それは各項目のウエイトで考慮します。10項目なら100点満点で、1項目10点平均です。それらの項目に軽重を付けるのが、ウエイト付けです。(英語にしてるだけ~)
非管理職なら、共通項目50点、独自項目50点とするなら、管理職なら、共通項目30点(1項目平均6点)、管理職独自項目70点(1項目平均14点)とするのが、分かりやすいでしょう。
あとは、実際に評価するだけ
評価して、何にその評価を使うのか。
それも、社長が決めます。
昇給でも、昇格でも、ボーナスでも、利用を制限されません。
ただし、評価シートは公開します。
評価項目が未公開のままで評価することはできません。評価項目は、社長の思いです。社員に「こうして欲しい」「こういう風になって欲しい」という思いが詰まったものです。
評価期間を3カ月にするのか、半期なのか、1年なのか、それも、社長が決めます。
最初の期間は、評価シートを公開して、「今後こういう評価項目で評価する」宣言です。実際の評価は、次の期間からにする方が良いかと思います。最初の期間を「テスト期間」として実際に評価するのも、一法です。
1期または2期で評価項目は見直し
2期の評価期間を経過すれば、多くの場合、社員ごとの評価が上位に固まってきます。
そのため、評価項目を見直し・変更します。実際には、評価項目を入れ替える、評価項目の内容のレベルを上げる、などを行います。
社員の全員または上位に過半数がクリアしている評価項目は、「社員心得」「弊社のルール」などとして、別にまとめておくことができます。後から入社してくる社員にも、すべきこと・方向性が分かりますので、有効です。就業規則の服務規律などに盛り込む方法もあります。
社長の考え・思いは、伝わります。
「社長は、こういうことで評価している」と言うのが分かりますので、社員にとっても、ある意味良いことでしょう。
一方的になりたくなければ、評価項目に社員の思いを入れることも可能です。管理職の項目に管理職の意見を、一般職の項目に一般職の意見を取り入れれば、「自分たちの項目」になります。
評価制度と違いますが、おすすめする提案制度も「考えるクセ」を付けるには良い制度だと思いますが、実際に導入してくださる企業様はなかなか少ない。なぜでしょうか。1提案100円で構わないし、実際に使える業務改善なら社長賞として○万円お渡しになっても…。ガス抜きとしても、良い方向に働きますよ。
かんたんで、すぐに使える人事評価制度
「何をもって、自分たちは評価されているのか?」
それが分かるだけでも、評価への不満は別のステージへ。
不満は、どの評価項目、その内容に移ります。でも、具体的ですし、社長の思い・考えです。社員数30人までの会社ですので、そういう事情は理解できませんか。(ということに)
この人事評価制度、是非自社でチャレンジしてみてください。
難しいなあと感じたら、弊所へご連絡ください。
ただし、コンサルタントが先導することはありません、念のため。
おまかせください
●労働環境の改善コンサルティング・働き方改革の支援(長時間労働の見直し含む)
●人事諸制度のReborn(再生)
●各種「人事労務」テーマのセミナー講師
●安全管理措置コンサルティング・特定個人情報取扱規程の策定
●マイナンバー監査サービス・内部監査対応
●無期転換・5年ルール対応コンサルティング
●社会保険料の節約・適正化コンサルティング
●労働条件自主点検表の書き方支援
株式会社 戦略人事研究所
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