就活ルール廃止で、どうなる・どうする中小企業
というよりも、もともと新規学卒の就職活動のルールがあったのかどうか紛らわしいのですが…。中小零細企業は、経団連に入っていませんし。
一つ確実に言えることは、「採用コンサルタント」という類いの名称・肩書きを付けた経営コンサルタントや社会保険労務士に依頼しないこと。
∵依頼したとき依頼しなかったときの明確な比較はできません。採用できたのは、偶然?たまたま?世間の影響? 「成果」を何にするのか、応募者数なのか、採用者数なのか、離職率なのか、そもそも何を成果にしたのでしょうか。前年前々年との比較では当てになりません、経済情勢・雇用状況が変わっているのですから。
しておくこと
- 労働コンプライアンスの遵守
- 欲しい人材像の明確化
- 成長させることのできる土台
- 採用のためのホームページの作成
- 新卒採用or通年採用の検討
まるで、採用コンサルタントの言葉のようです。
●労働コンプライアンスの遵守
当たり前のことを当たり前にする、過敏になる必要はありませんが、守るべき法律・倫理は守るような社内体制になっていますか?
(と言うことです。)
ガチガチにすることまでは求めません。
経営労務診断を受ければ、どこが法令違反なのか、安価ですぐに分かる制度があります。
●欲しい人材像の明確化
「御社に就職したいです。」
これと全く同じことを会社の側が言うと「あなたに就職してもらいたい」。
半分ジェネラリスト採用ですから仕方ないのかもしれませんが、どういう人材が欲しいのかを、会社の側も明確にしてみては? 逆の考え方もあります「育てて、自社の色に」。
面接時に、「あなたは、弊社に何を求めていますか」という質問も面白いですよ。
●成長させることのできる土台
研修制度や自己啓発の支援制度です。
新入社員研修以外の階層別・分野別研修はあるのか。検定・資格に対する支援制度、資格手当などがあるのか。
研修ですが、会費以外で無料なのが、商工会議所などのセミナー。利用しない手はありません。
また、業務改善提案制度などを導入すれば、「自分の意見も聴いてもらえる会社」です。
●採用のためのホームページの作成
自社ドメインのサブドメインに、「recruit」を付けて採用だけのサイトを作成します。
応募条件、先輩社員の声、研修制度・自己啓発支援制度など、書けることはいっぱい有ります。
●新卒採用or通年採用
既卒者ではダメな理由は?
20歳代の社員が欲しいのであれば、第二新卒というワードも。
すると、もったいないこと
新卒の場合、面接から実際の入社日まで、時間(時間的余裕)があります。
そうです、内定辞退されないための引き留め策に、多大な費用と時間と神経を使うのであれば、通年採用しても手間暇はそう変わらないのでは。むしろ、一定程度のスキルを持った人材を即採用できるのであれば、通年採用いえ中小企業なら補充採用になりますが、それでも新卒採用中心の考えは、ベストとは思いません。
また、急激に新卒採用者の給与・賃金をアップさせるのは得策ではありません。既に在職している社員への影響、臨時の昇給などを考慮すれば、「ほどほど」がベターです。大企業・上場企業と張り合うのは、それこそ「ウチの会社は違うよ」で済ませましょう。
20歳代社員での逆転現象が発生すれば、やる気を削ぎ、それこそ退職者が続出するなんてことも…。
「頑張って成果を出した社員に、適切な処遇を」をおすすめします。
だから、どうする?
就活ルールの見直し・廃止を良いことととらえる。
人材募集をしても来ない、採用しても定着率が低い、退職するのは優秀な社員ばかり、とお客様からも聞かされます。が、必ず原因があります。
例えば、30歳を過ぎると退職する社員が多いケース。
給与水準が同業同規模と比較(うわさレベルでの比較)すると安い、時間外労働や休日出勤が非常に多い(36協定も出していないような~)、そういう問題があります。課題ではなく、単なる問題。
原因の解消をアドバイスすると、切れる社長・経営者の方、人事担当の役員様もいますが、外部の目から見ればすぐに分かるような内容です。
当たり前のことをやって、採用ホームページを作成する、まずはこのあたりからでも始めましょう。根本的な問題は、この際脇に置いといて。
そして、採用コンサルタントに依頼しない。
コンプライアンスも遵守できている、採用ホームページがある、それでも採用できないなら、問題は別にあります。業界や業種、職種のイメージも影響しますので、採用コンサルを利用しても、時間と費用を無駄にしてしまっているかもしれません。
依頼するなら、まず法律・法令遵守からであれば、労働関係に詳しい弁護士先生か、安価で依頼するなら社会保険労務士の行う経営労務診断から。
採用ホームページの作成、いっそCMSにしてみましょう。
お金を掛けるのは、大企業で十分
人手不足と言われるのは、どうしても特定の業界や業種が先に出てきます。
働きやすい環境を整備することが一番です。
参考になるのが、「建設業界」「清掃業界」「町工場(まちこうば)」など。日本経済新聞を読むと、たまに「このようにして人材募集を行っている」「定着率アップを図る」などの記事が掲載されています。
内定辞退引き留め策を半年以上行った末に、2月下旬や3月上旬に「内定辞退します」と連絡が来た場合の人事労務ご担当者様の落胆度合いを見て、新卒採用が得策なのかと問われると「うーーん」としか言いようがありません。
(毎年◯名内定を出して、実際に入社したのが◯名とご報告をいただくことも。入社しても、ゴールデンウィークまでに退職する、夏のボーナスをもらって退職する、少ない割合ではありません。)
採用担当の人事や総務だけで良い前向きな意見が出て来ない場合には、他部署の意見、最近入社した社員の意見を参考にしてみましょう。
何が問題なのか、何が自社の誇れる部分なのか、きっと出てきます。
無駄なお金を掛けず、必要なところでお金を使いましょう。
明るい話題とすれば…
大企業や上場企業は、業務の電子化、AI(人工知能)の導入、RPA(ロボットによる業務自動化:Robotics Process Automation)の採用で、従業員数を減らす方向に進んでいます。従業員数の減少と言うより、業務分担の見直しです。その分が、中小企業にも流れてくるのでは。
▶労務相談
おまかせください
●労働環境の改善コンサルティング・働き方改革の支援(長時間労働の見直し含む)
●人事諸制度のReborn(再生)
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●安全管理措置コンサルティング・特定個人情報取扱規程の策定
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株式会社 戦略人事研究所
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